コラム

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2024-08-28更新

いざという時に備えて 耐震リフォームで安心して暮らせるように

日本の大地震発生回数は世界第4位。そんな地震大国である日本。安心して暮らすために、できることはあるでしょうか?

そこで今回は、地震による住宅の被害を軽減する「耐震リフォーム」について解説します。
耐震リフォームを行うメリットや気になる費用についてお伝えするのでぜひ参考にしてみてください。

①住宅の耐震性とは?
耐震性とは、建物が地震に対してどれだけ耐えられるかを示すものです。
耐震性が高いほど、大きな揺れに耐えられ、建物の損壊による被害を抑えられます。
既存の住宅でも、補強工事を行うことで耐震性を向上させることができます。
例えば、柱や梁の補強、基礎の補強などがあります。

「耐震」と関連してよく耳にするのが、「免震」「制震」という用語です。
これらの違いは一体何でしょうか。

1.耐震
・建物を強くする構造で、地震の揺れに耐えるように設計されます。
・壁や柱、梁などの構造部分を補強しています。
・一般的な構造で、多くの建物で採用されています。

2.免震
・建物と基礎を切り離すことで、地震の揺れを伝えにくくする構造です。
・免震装置(ダンパーやアイソレータ)を使用して、建物を揺れから守ります。
・地震に対する最も優れた構造と言えます。

3.制震
・建物内で地震の揺れを吸収する構造です。
・制震装置を組み込んで、揺れを軽減します。
・高層ビルなどで採用され、上階の揺れを緩和する効果があります。

②耐震性を決める3つの要素
次は耐震性が高いかどうかを左右する要素について解説します。
要素は大きく分けて、「地盤の強さ」「建物の重量」「構造」の3つです。

1.地盤の強さ
地盤の強弱は、耐震性に大きく関わります。
川沿いや、かつて田畑だった土地は軟弱な地盤であることが多く、地震による揺れが伝わりやすい傾向があります。
また、軟弱地盤では建物の一部分だけが沈んでいく「不同沈下」が起こりやすいことにも注意が必要です。
不同沈下が発生すると、建物が歪んでドアが開かなくなったり、壁や柱にひびが入ったりする恐れがあります。

また、液状化現象が起きるケースもあります。
これは軟弱な地盤が強い揺れで変形し、一部が液体化する現象。
液状化が起こると給排水や交通の面で大きな障害をもたらすこともあります。

地盤の強さは、感じる揺れの強さのみならず、さまざまな被害にも影響するため、とても重要な要素であることがわかります。

2.建物の重量
地震による揺れのエネルギーは建物の重さに比例します。
建物が軽いと揺れを小さくできるため、耐震性を高めるためには、いかに素材を軽くできるかがポイントになります。

特に木造住宅の場合、重要なファクターとなるのが屋根材と外壁仕上げ材。
とくに瓦屋根はかなりの重量になるため、建物にかかる負荷が大きく危険です。
屋根材には軽量瓦、外壁にはアイジーサイディングを採用するなど軽量化も意識しましょう。

3.構造
建物の構造には「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」がありますが、工法によってさらに細かく分類できます。
以下でメリットやデメリットを紹介します。

・木造の2種類の工法

「木造軸組み構造(在来工法)」:筋交いに負荷が集中するため、連続する強い揺れには弱い。

「木造枠壁構造(2×4・2×6)」:厚い構造材を用いる2×6(ツーバイシックス)のほうが高価なぶん、耐震性に優れる。

・鉄骨造の2種類の工法

「鉄骨軸組み構造」:木造軸組み構造と同じく、繰り返す強い揺れに弱い傾向にある。

「鉄骨ラーメン構造」:強度の高い梁と柱を用い、全体で揺れを受け止める。コストがかかるが、高い耐震性を誇る。

・鉄骨コンクリート造の2種類の工法

「ラーメン構造」:全体で揺れを受け止めるため、繰り返しの揺れにも強い。新築時のコストが高い点がデメリット。

「壁式構造」:壁が多いほど耐震性能がアップするため、壁で建物を支える壁式構造は地震に強い。

このように、構造と工法にはさまざまな種類が存在します。

③耐震リフォームした方がよい家とは?
耐震リフォームを実際にすべきかどうかで悩む方も多いでしょう。
そこで、ここからは耐震リフォームをしたほうがよい家について、4つの観点から解説します。

1.建築年数(耐震基準)
・1981年(昭和56年)以前に建てられた住宅は、現在の耐震基準を満たしていない可能性が高いです。
新耐震基準の住宅は震度6〜7ほどの揺れを想定して造られていますが、旧耐震基準の住宅は震度5程度しか想定されていません。
築40年以上経過している住宅にお住まいの方は、耐震リフォームを検討するとよいでしょう。

2.1階の壁の量が少ない家(1階がガレージ、窓が多い)
1階の壁の量が少ないと、そのぶん建物を支える部分が減り、耐震性が低下します。
特に気を付けたいのが、1階部分にガレージを設ける場合です。
いわゆるビルトインガレージです。
ビルトインガレージを採用すると、車を出し入れする面(道路側)にほとんど壁がなくなるため、耐震性が低くなります。

また窓が多い住宅も、必然的に壁の量が少なくなります。
地震の揺れは横から力が働くため、壁が少ないとその力に抵抗することができず、建物が倒壊するリスクがあるでしょう。

危険な場合は、耐震リフォームで壁量や梁、柱を増やします。

3.少しの地震で揺れを感じる家
地震の規模に対して明らかに強く揺れていると感じたら、耐震性が低いことを疑ったほうがいいかもしれません。また、住宅の前をトラックが通ったり、強風が吹いたりといった小さなことでも建物が揺れる場合は危険です。
少しでも不安に思ったら、耐震リフォームの実施を本格的に検討しましょう。

4.構造の劣化が進んでいる家
どの住宅も、長く住んでいると少しずつ劣化してしまいます。
メンテナンスをしていない場合、木造はシロアリ被害や金物の腐食、鉄骨造は鋼材の錆び、鉄筋コンクリート造はコンクリートのひび割れが進行します。

構造が劣化すると、一般的に建物の耐震性も低下します。
しかし、個々の住宅ごとに劣化の進行度合いやスピードは異なるため、先述したように「築年数〇〇年を過ぎたら危険」という明確なラインを引くのは困難です。

そこで耐震リフォームを行うべきか迷っている方は、まずは耐震診断をしてもらうのがおすすめです。
経年劣化の影響も考慮したうえで、住宅の耐震性が十分であるかを正確にチェックできます。

④耐震リフォームにかかる費用
耐震リフォームにかかる費用は、120万円~と言われています。
ただし建物の状況や工事内容によるため、家ごとにかなりの差があります。
さらに木造住宅の場合は、基礎の耐震補強も検討する必要も。
RC造や鉄骨造よりも高額になるケースが多いようです。

<耐震リフォームの費用を決める要素の例>
・新耐震基準前に建てられているか
・建物の形状、補強の度合い
・間取り変更をするかどうか
・瓦屋根の軽量化の有無(瓦撤去後の下地補修ややり替えも必要)
など

これらを踏まえて補強の種類・数量を決め、耐震リフォーム費用を出します。
それぞれの住まいに合った補強計画を提案するため、一概に「この補強はいくらです」と言い難いのが現状です。
実際に耐震リフォームの費用を知りたい場合は、ぜひ一度松坂産業へご相談ください。

また、耐震リフォームの費用は決して安いとは言えません。
高い費用が足かせとなり、リフォームに踏み切れない方は多いでしょう。
そこで、福山市や府中市では耐震リフォームを行う方向けの補助金制度(上限100万円)を設けています。

具体的な条件や補助金額は自治体ごとに異なるため、事前に確認してみましょう。

⑤まとめ
今回は耐震リフォームの検討についてお伝えしました。
いつ地震が起きてもおかしくない日本では、住宅が高い耐震性を備えていることが非常に重要です。
予算などもふまえ、あせらずにゆっくりと検討してみましょう。

松坂産業では、お客さま一人ひとりに合わせた最適なリフォームプランを提案します。
耐震リフォームをきっかけに、住まい全体のリフォームをご希望の方は、ぜひ松坂産業にお任せください。

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