コラム

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2025-01-28更新

建物構造とは?賃貸物件で使われている建物構造と選び方

家を探すときに重視するポイントはどこですか?
立地や利便性という声が上がる中、建物構造を重視する方もいます。

建物構造を知ることで、防音性や耐震性・耐火性など目では分からないことが分かってきます。

今回は賃貸物件で主に用いられる5種類の建物構造について解説します。

【建物構造とは?】
建物構造とは、建物を支える骨組みの種類を指します。
一般的には、木材・鉄骨・鉄筋・コンクリートなどが素材として使われています。

なお、骨組みをつくる方法・骨組みを組み立てる際の手法は「工法」と言います。

【賃貸物件で主に用いられる5種類の建物構造】
賃貸物件で特に主流になっている建物構造は以下の5つです。
・木造(W造)
・軽量鉄骨造(S造)
・重量鉄骨造(S造)
・鉄筋コンクリート造(RC造)
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

その中でも、
「木造」と「軽量・重量鉄骨造」はアパートタイプに用いられることが多いです。
「鉄筋コンクリート造(RC造)」と「鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)はマンションタイプに用いられることが多いです。

【木造】家賃・・・◎ 防音性・・・✕ 耐震・耐火・・・△ 通気性・・・◎
木造とは、名前の通り建物の主要部分を木造で造った建物のことです。
戸数が少ないアパートや、戸建てで主に用いられます。
木造は湿気が多い日本の気候に適しています。
木は水分を吸収すると膨らみ、乾燥すれば水を発散して縮む特性があるからです。
窓の結露やカビが発生しにくいです。

〇木造のメリット
木造の最大のメリットは家賃が安いことです。
木材自体のコストが低いうえ、戸数が少なく組み立てやすいので建設コストを抑えられます。

〇木造のデメリット
デメリットとしては、防音性がかなり低いことがあげられます。
壁や天井が、石膏ボードなどの薄い素材で出来ているからです。
上下左右のお部屋の生活音がほとんど聞こえてきます。
生活リズムが同じであれば夜は静かですが、少しでもずれている住民がいると騒音で悩む可能性が高いです。

【軽量鉄骨造(S造)】家賃・・・〇 防音性・・・△ 耐震・耐火・・・△ 通気性・・・〇
軽量鉄骨造とは、柱や梁などの骨組みに「鉄骨の厚みが6mm未満」の鉄骨を使用した建物を指します。
2階建てのアパートや小型店舗など小さめの建物に用いられます。

天井や壁などの素材は木造と同じく石膏ボードなので、防音性は期待できません。
駅徒歩や築年数を緩和すれば、家賃帯も木造に近い安い物件が出てきます。

〇軽量鉄骨造のメリット
軽量鉄骨造は、素材が鉄骨なので木造よりは強度が高いです。
地震ではしなりますが倒壊しづらいです。

日本建築学会公表の遮音等級によると、木造よりは防音性がやや高いです。
木造の遮音等級が「L-75」に対し、軽量鉄骨造は「L-65」と低いです。

〇軽量鉄骨造のデメリット
軽量鉄骨造は、鉄を素材に使っています。
錆びやすく熱に弱いというデメリットがあるので、定期的なメンテナンスが必要です。

また、断熱性と気密性が低いです。
鉄は熱が伝わりやすいので、夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。

【重量鉄骨造(S造)】家賃・・・〇 防音性・・・〇 耐震・耐火・・・〇 通気性・・・〇
重量鉄骨造とは、柱や梁などの骨組みに「鉄骨の厚みが6mm以上」のものを使用した建物のことです。
中小規模のマンションや、商業施設で用いられることが多いです。

鉄骨の厚みが6mm以上と分厚く、重量があっても耐えられるので耐久性が高いです。
大型の建物は土台も頑丈なので地震にも耐えられます。

〇重量鉄骨造のメリット
重量鉄骨造は骨組みが6mm以上と厚いです。
壁の石膏ボードを2重にするケースが多いので、防音性があります。

鉄骨の厚みがある分、強度が強いです。
吹き抜けやビルドガレージなど空間が空く仕様でも、重心が傾きにくいです。

〇重量鉄骨造のデメリット
重量鉄骨造の家賃は、RC造とほぼ同じでやや高いです。
一概には言えませんが、鉄骨に厚みがある建物ほど家賃が高くなる傾向にあります。

鉄骨に厚みがあると、建物自体の重量が増えます。
地盤補強工事も必要なので、建設コストが高めです。

【鉄筋コンクリート造(RC造)】家賃・・・△ 防音性・・・〇 耐震・耐火・・・◎ 通気性・・・✕
RC造は、鉄筋の枠にコンクリートを流し固めたものを、柱・梁・床・壁に使用している構造のことです。
大型マンションや団地で主に用いられます。

鉄筋は引っ張る力に強いですが、熱に弱く錆びやすいです。
反対にコンクリートは熱に強く引っ張る力に弱いので、鉄筋をコンクリートで覆うことで互いの弱点を補っています。

かなりの重量に堪えられる強度を持つうえ、コンクリートは音を通しにくいので防音性の高さが期待できます。

〇鉄筋コンクリート造のメリット
RC造は、素材にコンクリートが使われています。
厚みがあり音を通しにくいので、防音性が高めです。

日本建築学会公表の遮音等級でもRC造は「L-50」になっており、振動を伴う音は響くがほかの生活音は気にならない程度とあります。

手が出しやすい家賃帯で、なおかつ防音性を重視するという人は、アパートではなくマンションタイプでお部屋を探すと良いです。

〇鉄筋コンクリート造のデメリット
コンクリートは、熱伝導率が悪いです。
通気性が悪く、夏は室温が高くなりやすいです。
暑さが苦手な人は、やや住みづらいと感じます。

外の気温と室温に差が大きい場合は、結露が発生しやすいです。
カビの原因にもなるので注意しましょう。

【鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)】家賃・・・✕ 防音性・・・◎ 耐震・耐火・・・◎ 通気性・・・✕
SRC造とは、鉄筋の枠の中にコンクリートを流し込んで固めたものをさらに補強した建物構造です。

非常に高い防音性・耐震性・耐火性を兼ね備えています。
熱に弱い鉄骨をコンクリートで包み、さらに揺れやすいコンクリートを鉄筋で補強しているからです。

分譲マンションやタワーマンションなど、大型かつグレードの高い物件で用いられることが多いです。

〇鉄骨鉄筋コンクリート造のメリット
SRC造は、建物構造の中でも最も性能が良いです。
防音性・耐震性・耐火性・耐久性に優れています。

遮音等級「L-40」に相当し、子どもの泣き声や走り回る音や、落下音はかすかに聞こえる程度です。

建物自体の耐久性が高く、法定耐用年数が47年です。
メンテナンス次第では100年以上持つとも言われています。

〇SRC造のデメリットは家賃が高いことだけです。
鉄骨や鉄筋などの材料費が高い、骨組みを作る際の工程が複雑、大規模な建物が多く建設期間が長いため、コストがかかるせいです。

ワンルームで木造とSRC造を比較すると、家賃3万円以上もの差が出るほどです。
グレードが高いお部屋が多く、設備が充実している場合はさらに家賃が跳ね上がります。

【そのほかの建物構造】
その他には
・軽量気泡コンクリート造(ALC造)
・プレキャストコンクリート造(PC造)
・アルミ造(AL造)
・コンクリート充填鋼管構造(CFT造)
・コンクリートブロック造(CB造)
という建物構造があります。
それについてはまた別の機会でお伝えしていければと思います。

【まとめ】
いかがだったでしょうか?
建物構造は家賃帯や性能を左右するとても大切な検討ポイントなのが分かっていただけたのではないでしょうか?
建物構造を知っておくだけで家探しの際に注意してみておくべきポイントも分かってきます。
これから家を探される方は是非建物構造にも注目してみてくださいね♪

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